ピッツバーグ大学大学院化学科

雨宮研究室

 

 このホームページは、米国でのPhD取得を考えている皆さんを対象に、私の研究室及びピッツバーグ大学大学院化学科を紹介するために開設しました。実際に、1996年以降、4人の日本人が私達の学科でPhDを取得しています。ピッツバーグ大学大学院のシステムは、いくつかの点で日本の大学院とは異なっていますので、このホームページでは主にそれらの点と、実際にどのように大学院に応募すればよいかについて紹介しています。私の研究室及び他の研究室の具体的な研究内容については、以下のリンクからご覧下さい。

雨宮研究室:http://www.pitt.edu/~amemiya

化学科:http://www.chem.pitt.edu

また、このページに関するご意見・ご質問は、amemiya@pitt.edu(日本語可)までお願いいたします。

 

 

ピッツバーグ大学化学科のPhDプログラムについて

 ここでは私達の学科のPhDプログラムについて紹介します。さらに詳しい情報については、実際に入学した学生向けに配られている大学院生ハンドブックをご覧下さい(ハンドブックはpdfファイル形式です)。

 

Q1.化学科にはどのようなプログラムがありますか。

A1.私達の学科には、修士(MS)・博士(PhD)課程として、分析化学、生物化学、無機化学、有機化学、物理化学、化学物理のプログラムがあります。詳細はプログラムによって若干異なりますが、PhDを取得するには、講義、研究中間報告発表、学位論文、研究最終報告発表、及び実際の研究テーマ以外のトピックについての研究計画の立案と発表を行う必要があります。

 

Q2.PhDを取得するにはどのくらいの年数がかかりますか。

A2.典型的な学生の場合で約5年です。大学の一年は9月から始まり、12月末までを秋学期、1−4月を春学期、5−8月を夏学期と呼んでいます。学生は、最初の秋・春学期は主に講義を受け、指定された単位数と評価を得る必要があります。この間、学生は、数人の教授によって構成される委員会(Graduate Student Advisory Committee)に、講義の履修計画など学生生活上の様々なことについて相談することができます。その後は指導教授の元で主に研究を行い、7学期目を終えるまでに中間発表を行い、3人の教授によって構成された委員会の審査を受けます。最終的な学位審査を行う委員会は、13学期目に編成されます。

 

Q3.経済的な支援は受けられますか。

A3.全ての大学院生は化学科もしくは指導教授から全面的な資金援助を受けることができます。このような援助は、奨学金か、または学生がティーチングアシスタント(TA)・リサーチアシスタント(RA)として得る報酬で、返済義務はありません。学生には給料が支払われるだけでなく、授業料や健康保険も本人が負担する必要はありません。

 

Q4.ティーチングアシスタント(TA)とは具体的に何をするのでしょうか。

A4.TAの役割は、担当教授の指導の元で、化学科における学部学生教育の補助を行うことです。学生実験の指導はその一つです。また、学部の講義の補習を行う場合もあります。学生がTAを勤める時間は最大で週約20時間です。基本的にTAは、学部学生を直接指導することになるため、大学院入学時には説明会が開かれ、英語を母国語としない学生には、そのためのテキストや英語の授業が用意されています。また、学生はPhD取得までに、最低2学期間、TAを勤めることが必要とされます。これは、大学院生が化学に関する知識を深めるうえで、また教育者としての経験を積む上で、TAが極めて重要な機会と考えているためです。TAには通常の学科と同様に評価が与えられますが、日本人学生を含む多くの留学生が、TAとしても立派な成績を収めています。

 

Q5.リサーチアシスタント(RA)とは具体的に何をするのでしょうか。

A5.RAの役割は、指導教授の元で研究を行うことです。もちろん、学生がRAとして行った研究は、その学生の学位論文になります。RAには、月々の給料が指導教授から支払われます。多くの学生は、最初の秋・春学期にTAを勤め、3年目以降はRAを勤めます。

 

 

大学院への応募について

 ここでは、実際にピッツバーグ大学化学科の大学院に入学するための応募方法について紹介します。入学するためには、大学を卒業している必要がありますが、大学院の修士の学位は必要ではありません。

 

Q6.応募にはどのような書類が必要でしょうか。

A6.大学院への応募には以下の書類を提出する必要があります。

1.米国外の学生向け応募用紙(pdfファイルとして入手可能です)。

2.本学科の大学院への進学を希望する目的、理由、及びこれまでに興味を持った、もしくは実際に専攻した化学の分野と今後携わりたい研究分野についての記述。

3.大学の成績証明書。

4.推薦書3通。これらには、推薦者の所属機関の正式なレターヘッドが付いた便箋を用い、封に推薦者の署名をした封筒に入れて、応募書類と一緒に提出して下さい。

5.GRE(Graduate Record Examination)の得点(化学のsubject testの得点を含むこと)。

6.TOEFL(Test of English as a Foreign Language)の得点。

7.受験料$40。

 

これらを以下の宛先まで郵送して下さい。

Assistant Chair

Department of Chemistry

234 Chevron Science Center

University of Pittsburgh

Pittsburgh、 PA 15260

Phone: (412) 624-8501

FAX: (412) 624-8611

E-mail: fnagy@pitt.edu

また、次のホームページからオンラインで応募することも可能です。

http://www.chem.pitt.edu/grad/apponline.asp

 

Q7.応募から入学までのスケジュールはどうなっているでしょうか。

A7.応募の締め切りは2月1日ですが、それ以降の応募でも定員に余裕がある場合は、書類の受付と審査を行います。学科内における書類審査は応募書類が届き次第随時行われ、審査に合格した応募者には1月中からその旨が伝えられます。合格者が入学に同意した後、学部、大学レベルで入学の手続きが進められ、学生ビザの申請が行われます。正式な入学は秋学期ですが、学生本人と学生が希望する教授の間で同意があれば、その前の夏学期にRAとして研究を行うこともできます。

 

 

ピッツバーグでの生活

Q8.ピッツバーグでの生活はどのようでしょうか。

A8.大学院生向けの寮はありませんが、キャンパス付近で容易にアパートなどを見つけることができます。また、ピッツバーグでは、学生、大学・企業の研究者、またその家族をはじめとした多くの日本人が生活しています。そのため、日本人協会以外にも、日本人のメーリングリストやピッツバーグでの生活案内書、日本語補習授業校もあります。ここでは、これからも、ピッツバーグに関する便利なホームページを随時紹介していく予定です。

 

Pittcon(Pittsburgh Conference on Analytical Chemistry and Applied Spectroscopy):ピッツバーグを発祥の地とする世界最大級の分析化学の学会。毎年三月に行われ、世界中から多くの参加者が訪れます。講演以外に分析機器の展示会も行われるのが特徴。ピッツバーグ大学化学科における分析科学系の教授、ピッツバーグ分析化学会(Society of Analytical Chemists of Pittsburgh)、ピッツバーグ分光学会(Spectroscopy Society of Pittsburgh)もプログラム編成や学会賞の授与などで深くかかわっています。

 

Komachi Home Page:ピッツバーグに関する日本語情報サーバー。“cmu-j メーリングリスト”では、主にピッツバーグで生活する日本人の情報交換が行われており、“ピッツバーグ便利帳”には日本人のためのピッツバーグ生活情報が満載されています。

 

日本語補習授業校:ピッツバーグに住む幼稚園児から高校生まで約120人が、毎週日曜日に日本語で授業を受けています。